世界の友だちの1日⑥ ラオス ビエンチャン
絵をかくこと、民話を読むことが大好き!
医師になっておばあちゃんの病気を治したい!
世界の友だちは、いったいどんな一日を過ごしているのだろう。
日が暮れるまで外で遊んでいる?
それとも放課後は塾で勉強しているのかな?
今回はラオスの首都・ビエンチャンに住む
10歳のスックパソーンさんにお話を聞いてみました。
ラオス仏教の最高の寺院で、ラオスの象徴とも言える「タートルアン」の前に立つスックパソーンさん。
みんなは、ラオスがどこにあるか分かるかな? ヒントは、中国の南、ベトナムの西、タイの北で、キリンの首のような形をした国だよ。ラオスは東南アジアで唯一、海に面していない国なんだ。山がちな地形で、面積は日本の本州とほぼ同じだよ。人口の半分は、国名の由来にもなった「ラオ族」。残り半分は50近くの少数民族が占める多民族国家なんだ。
そんなラオスの首都・ビエンチャンでスックパソーンさんは暮らしているよ。現在、小学5年生。学校には毎日、お母さんが運転するバイクで通っているんだ。
「好きな科目は、国語(ラオス語)、英語、中国語です。絵をかくのも好きで、山、川、雲、太陽、木、動物、たんぼ......ラオスの美しい自然の光景をよくかいています。」
スックパソーンさんは読書家でもあるんだ。特にラオスの民話集がお気に入り。おすすめの話は「消える川」だよ。
「よごれた川の影響で、村人たちの生活は苦しくなります。川にすむカメに、『もうこれからは川にごみを捨てない。清潔な川を守る。』と約束すると、カメは口から水蒸気をはき出します。それが大きな雲になって雨が降り、川の水がきれいな状態にもどるというお話です。人と自然のつながりが感じられるところが好きです。」
現代の環境問題やSDGsの考え方にも通じるお話だね。
スックパソーンさんの夢は、医師になること。おばあちゃんの病気を治してあげたいんだって。
「銀行員にもなってみたいな。だって、制服がかわいいから。」
真面目で好奇心旺盛なスックパソーンさんは、クラスでも成績上位。これからも一生けん命勉強して、ぜひ夢をかなえてね。
午前6:00 起床
歯みがきと洗顔後に、着替えてから朝ご飯を食べます。この日のメニューは、もち米、揚げソーセージ、とり煮込み、野菜スープ、トマトからしみそでした。
午前7:30 登校、自習
学校まではお母さんがバイクで送迎してくれます。
午前8:00 授業
1つの授業は50分と60分の2種類があり、合間に10分間の休み時間があります。この日の1~2時間目は国語(ラオス語)、3時間目は音楽でした。
午前11:20 昼休み
昼食は、持参したお弁当です。この日は、白いご飯、ぶたと卵の煮込み、果物でした。
午後0:30 授業
午後からの4時間目は英語、5~6時間目は算数でした。
午後3:30 下校
午後4:00 帰宅
少し休んでから、シャワーを浴びます。それからいとこといっしょに、ビーズでネックレスやブレスレットを作ったりします。
午後6:00 宿題
午後7:00 夕食
この日のメニューは、ご飯、揚げ牛肉、揚げ魚、パパイヤサラダ、生野菜、カリカリぶた皮でした。
午後8:00 自由時間
絵をかいたり、ラオスの民話の本を読んだり、テレビ番組を見たりします。
午後9:00 就寝
プロフィール
名前
Soukphasone Sihalath
スックパソーン・シーハーラード
(小学5年生・10歳)
好きなこと
絵をかくこと、ラオスの民話の本を読むこと、ビーズのネックレスやブレスレットを作ること
好きな教科
国語(ラオス語)、英語、中国語
好きな食べ物
フライドチキン、ラープ(みじん切りの肉とさまざまな調味料をあえたサラダ)、ケンノーマイ(たけのこスープ)
行ってみたい国
日本
日本について知っていること
ラーメン、すし、桜、ドラえもん、富士山
将来の夢
医師、銀行員
ラオスの首都。タイとの国境をなすメコン川の流域に位置しているよ。タイとは、全長1,174m、幅13mの「友好橋」で結ばれていて、バスや電車といった陸路で往来する旅行者も多いんだ。
面積|およそ3,920㎢
人口|およそ98万5,000人
ラオス語の「こんにちは!」
ສະບາຍດ(サバイディー)!
ラオス語の「ありがとう!」
ຂອບໃຈ(コプチャイ)!
ラオスの首都・ビエンチャンには、歴史ある寺院が数多く存在するよ。スックパソーンさんの自宅近くには、ラオスのシンボルとされる「タートルアン」があるんだ。高さ45mの黄金にかがやく仏塔があり、ラオスの国章(国家を象徴する紋章)にもえがかれている。近くには、「ワットタートルアンヌア」という豪華な宮殿もあって、ラオスの仏教界で最高位の僧侶が住んでいるよ。毎年11月には、1週間続く「タートルアン祭」が開かれ、ラオス全土から多くの僧侶がやってくる。例年約30万人もの人でにぎわい、広場には多くの屋台が立ちならぶんだ。タートルアン寺院の夜間のライトアップも見物だよ。
参考:(面積・人口)「Demographic Yearbook 2022」
取材、文・相澤良晃