世界の友だちの1日⑤ブラジル サンパウロ州 サンパウロ市
大好きな柔道で活躍!
将来は柔道の指導者になりたい!
世界の友だちは、いったいどんな1日を過ごしているのだろう。
放課後は日が暮れるまで外で遊んでいる?
それとも塾で勉強しているのかな?
今回はブラジルのサンパウロ市に住む
10歳のベルナルドさんにお話を聞いてみました。
柔道に夢中のベルナルドさん。黒帯を目指して、毎日練習にはげんでいるよ。
ブラジルといえば、世界屈指の「サッカー王国」。"ブラジル代表の試合がある日は、街から人がいなくなる"と言われるほど、子どもからお年寄りまで、みんな夢中になってテレビの前で応援するよ。
格闘技も人気で、なかでも日本から伝わった「柔道」は多くの人に親しまれているんだ。サンパウロ市で暮らすベルナルドさんも、平日は毎日、柔道教室に通って練習に打ち込んでいるよ。
「先生の指導は厳しいけど、そのおかげでみんな規律正しく頑張れています。息子さんはオリンピック選手だし、ぼくにとっては世界一の先生です!」
ベルナルドさんは、小学5年生。毎朝、7時に登校しているよ。日本より授業開始時間がだいぶ早いのは、ブラジルでは多くの学校が、「午前」か「午後」のどちらかを選ぶことができる2部制を採用しているからなんだ。ベルナルドさんは「午前」を選択していて、授業が終わって下校するお昼ごろに、「午後」の部の生徒たちが登校してくるんだ。
「教科書がとっても重いから、みんなキャスター付きの通学かばんをガラガラと引いて登校するよ。」
ブラジルの教科書は、問題集といっしょになった書き込み式が一般的で、とにかく分厚い。A4サイズで4~5センチもある教科書もめずらしくないんだ。ランドセルではないのにも納得だね。
「最近、薬物のこわさを学ぶ特別授業があったよ。警察官の先生が来て、"薬物反対"の歌をみんなで歌ったんだ。プログラムの合格証をもらえて、うれしかった!」
正義感が強く、他人を思いやる気持ちにあふれたベルナルドさん。将来は、柔道の選手として活躍して、指導者になることが目標だよ。
午前6:00 起床
起きたらまず顔を洗って、着替えます。朝食は食べずに家を出て、6時30分発のスクールバスに乗ります。
午前7:30 授業
スクールバスを降りたら、学年ごとに校庭に集まります。全員そろってから、先生といっしょにクラスに向かいます。一つの授業は45分。日本の学校のような短い休みはなく、トイレに行きたくなったら授業中に手を挙げて先生の許可をもらいます。写真は、学校で行われた薬物と暴力反対の教育プログラム「プロエイド」の修了式の様子。
午前10:00ごろ 休憩
午前10時ごろに、15~20分ほどの間食休憩時間があります。ぼくは、お母さんが持たせてくれるパックのジュース二つとパンをよく食べます。
午後0:30ごろ 下校
午後1:30 昼食・自由時間
両親が働いているので、帰りはスクールバスでおばあちゃんの家に送ってもらいます。お昼ご飯を食べて昼寝をして、その後は宿題をしたり、テレビを見たり、いとことカードゲームをしたりして過ごします。
午後6:30 柔道教室
柔道は2年前から習っているよ。午後6時ごろにお父さんがむかえに来て、連れていってくれます。大会に参加して、メダルやトロフィーをもらったときはすごくうれしかった! 今は灰色帯で、黒帯を目指しています。いつかオリンピックに出たいな!
午後10:00 夕食
帰宅してすぐ夕ご飯を食べます。この日は、ソーセージパスタとオレンジジュース。ぼくは、白米、フェイジョン(豆のにこみスープ)、野菜、ソーセージ、チキンソテー、肉だんごなどをよく食べるよ。
午後11:00 就寝
シャワーを浴びて寝ます。
プロフィール
名前
Bernardo Hitoshi Uehara Barbosa
べルナルド・ヒトシ・ウエハラ・バルボザ
(小学5年生・10歳)
好きなこと
柔道、バレーボール、卓球
好きな教科
体育、地理、理科
習い事
柔道
好きな食べ物
ポップコーン、ホットドッグ、スパゲッティ、肉だんご、ピザ
行ってみたい国
日本! 最近、おばあちゃんが日本に遊びに行って楽しそうだったので、ぼくも今度いっしょに行きたい。ぼくのひいおじいちゃんとひいおばあちゃんは日本人なんだ。
地球のためにふだんやっていること
ごみのリサイクル、食べ残しをしない、水の無駄づかいをしない。
日本について知っていること
大好きなアニメ『NARUTO(ナルト)』のテーマパークがある。
将来の夢
柔道の先生。バレーボールか卓球の先生もいいな。
ブラジル南東部に位置するサンパウロ市は、東京都とほぼ同じ人口を有する南米最大の都市。サンパウロ州全域でコーヒーづくりが盛んで、市内にはコーヒーショップも多い。日系人も多く暮らしており、毎年8月には「沖縄祭り」が盛大に開催される。
面積|およそ248,219㎢(サンパウロ州)/およそ1,521㎢(サンパウロ市)
人口|およそ4,414万人(サンパウロ州)/およそ1,145人(サンパウロ市)
ポルトガル語の「こんにちは!」
Olá(オラ)!
ポルトガル語の「ありがとう!」
男性:Obrigado(オブリガード)!
「サンパウロ」は、ポルトガル語で「聖パウロ」の意味。「聖パウロ」は、キリスト教における聖人の一人だよ。ブラジルでは、人口の約9割がキリスト教信者なんだ。ベルナルドさんも毎週日曜日にお父さんといっしょに教会に通っているよ。
毎年、6月から7月にかけてブラジル全土で開催される「フェスタ・ジュニーナ」は、3人の聖人を祝福するお祭りだよ。たき火をたいて、麦わら帽子に穴の空いたジーンズといった田舎風の服装でフォークダンスをおどるのが定番。トウモロコシや落花生を使った料理を食べてお祝いするんだ。
参考:(面積・人口)ブラジル地理統計院(2022年国勢調査)
取材、文・相澤良晃