世界の友だちの1日⑦ タンザニア ダルエスサラーム
毎朝いっしょにスクールバスで登校
先生になりたい妹と、
医師を目指す姉の仲良し姉妹
世界の友だちは、いったいどんな1日を過ごしているのだろう。
放課後は日が暮れるまで外で遊んでいる?
今回はタンザニアのダルエスサラームに住む
7歳のアナベルさんと12歳のカーレンさん姉妹にお話を聞いてみました。
姉のカーレンさん(左)と妹のアナベルさん(右)。家族で ジュリアス・ニエレレ国際空港に行ったときの写真。
タンザニアは、東アフリカで最大の国土をほこる国だよ。日本の約2・5倍もあるんだ。北部にはアフリカ大陸で最も高い山「キリマンジャロ」(標高5895m)がそびえる。その付近で栽培されるコーヒー豆は世界的に有名だよ。
また、山の裾野には世界遺産の「セレンゲティ国立公園」が広がっているよ。広大なサバンナには、ゾウやライオンなどアフリカを代表する野生動物が約300万頭も生息しているんだ。
そんなタンザニアの最大都市「ダルエスサラーム」でマソンダさん姉妹は暮らしている。妹のアナベルさんは、小学1年生。タンザニアでは、7歳から14歳までの7年間が義務教育期間で小学校に通うんだ。中学(2年間)に進学できる子どもは、半分ほど※。しかも、家庭の事情などで中途退学する子も多く、卒業できるのは3割程度になってしまうよ。
さらに高校(4年間)を卒業できる子どもは、1割以下。10人に1人にも満たない。日本とは大きく事情が異なるね。
「私はたくさん勉強して、将来は先生になりたい。子どもたちに、いろんなことを教えてあげたい。」
一方、姉のカーレンさんは小学5年生。夢は医師になること。
「病気で苦しむ人の助けになりたい。みんなが健康で暮らせる世の中にできたらいいと思います。」
二人は、とても仲良し。いつもいっしょに遊んでいるよ。登校もいっしょで、毎朝5時半ごろに起きて、スクールバスに乗るんだ。ダルエスサラームは急速に街が発展していて、人口が急増中。街が活気にあふれる一方で、深刻な交通渋滞が問題になっているよ。二人が乗るバスも、にぎやかな朝の街をゆっくり走っているのかな?
※「世界子ども白書2024」より
カーレンさん&アナベルさん姉妹の1日
午前5:30 起床
起きたら、着替えて、朝ご飯を食べます。卵料理と牛乳の組み合わせが多いです。
午前6:40 出発
スクールバスに乗って登校します。
午前8:30 授業
午後0:00ごろ 給食
お米と豆のメニューです。
午後4:00 帰宅
シャワーを浴びて宿題をやったり、両親の手伝いをしたりします。
午後6:30 夕食
この日のメニューは肉とじゃがいもの煮込みです。
午後8:30 就寝
プロフィール
名前
カーレン・アーノルド・マソンダ
(姉・12歳)
好きなこと・もの 学ぶこと
好きな教科 算数
習い事 ピアノ、アイスホッケー、体操
好きな食べ物 お米とお魚
好きなスポーツ ネットボール(バスケットボールに似たスポーツ)
行ってみたい国 ナイジェリア
日本について知っていること 車を作っている
将来の夢 医師
名前
アナベル・アーノルド・マソンダ
(妹・7歳)
好きなこと・もの 本(物語)を読むこと
好きな教科 英語
好きな食べ物 お米とお肉
好きなスポーツ テコンドー
行ってみたい国 メキシコ
日本について知っていること 技術の発達した国
将来の夢 学校の先生
タンザニアの「事実上の首都」。経済成長にともない急速に人口が増加していて、2050年には1,000万人を突破するとされているよ。
面積|およそ1,393㎢
人口|およそ514万7,000人
宗教|キリスト教(約40%)、イスラム教(約40%)、土着宗教(約20%) ※タンザニア全体
言語|およそ514万7,000人
スワヒリ語の「こんにちは!」
Habari (ハバリ) !
スワヒリ語の「ありがとう!」
Asante(アサンテ) !
インド洋に面したダルエスサラームは、タンザニアの「旧首都」だよ。実は1973年に、「広い国土を治めるのに都合がいい」という理由で、内陸部のドドマに首都が移されたんだ。でも、いまだ政府官庁や中央銀行などの国家機関は、ダルエスサラームにある。人口もドドマよりも圧倒的に多く、ダルエスサラームはタンザニア最大の都市として発展を続けているよ。街には高層ビルやマンション、大型ショッピングモールもあり、活気にあふれている。美しい砂浜が続く「ココビーチ」や街一番のにぎわいの「カリアコー市場」は、観光客にも人気だよ。
参考:(面積・人口)「Demographic Yearbook 2022」
取材、文・相澤良晃