世界の友だちの1日③ベトナムハノイ市
夢は国語の先生!
ベトナムの文化と言葉を世界の子どもに教えたい
世界の友だちは、いったいどんな1日を過ごしているのだろう。
日が暮れるまで外で遊んでいる?
それとも放課後は塾で勉強しているのかな?
今回はベトナムの首都・ハノイに住む
10歳のアィンさんにお話を聞いてみました。
観光スポットとして人気の「ハノイ大聖堂」の前に立つアィンさん(写真右)。左は妹のアンさん。
ハノイ市の北東を流れるホン川。
その川沿いに家族4人で暮らすアィンさんの朝は、とても早い。
毎日6時に起きてスクールバスに乗車。7時ごろに学校に到着すると、まずクラスメートといっしょに給食(朝ご飯)を食べるんだ。その後、8時から授業が始まるよ。
実はアィンさんに限らず、ベトナムの人たちは、み〜んな早起き。学校だけでなく、店や会社も8時ごろから始まるところが多いんだ。
朝食は外で食べるのが一般的で、屋台や食堂は6時ごろにオープンする。交通手段は車よりもバイクが圧倒的に多く、大通りが色とりどりのバイクで埋めつくされて......なんて光景も。そんな活気ある街を眺めながら、アィンさんは通学しているんだ。
アィンさんは、この9月に5年生になったばかり。ベトナムでは、小学校で5年、中学校で4年、高校では3年間勉強するのが普通なんだ。
「去年、学校で"テト"をテーマにした絵画コンクールが開催されて、感動賞をもらいました。とっても、うれしかった!」
テトはベトナムの旧正月(旧暦のお正月)で、ベトナムの人たちが最も楽しみにしている祝日だよ。毎年、1月下旬から2月上旬にかけて10日間ほどの"テト休み"があり、この間、多くの人が帰省して家族といっしょに新年を祝うんだ。街中にはテトソングが流れて、きらびやかな装飾があちらこちらに。まるで日本の正月とクリスマスが合わさったかのような盛り上がりなんだ。
週2回教室に通うなど、絵を描くことが大好きなアィンさん。将来の夢は、イラストレーター?
「私は国語の先生になりたい! いつか世界の子どもたちにベトナムの言葉と文化を教えたいな。」
午前6:00 起床、登校
歯磨き、洗顔をして、6時45分発のスクールバスに乗ります。7時過ぎに学校に着いたら、学校の給食(朝ご飯)を食べます。
午前8:00 授業
授業は午前と午後の2部制で、1つの授業が35分。この日の教科は算数、国語、歴史、美術など。
午前11:15 昼食、昼寝
給食を食べた後、教室を移動し寝袋でお昼寝。 ベトナムでは1日授業がある場合、小学生から大学生まで、お昼寝タイムがあります。
午後2:00 授業
午後4:30 帰宅、シャワー
午後6:00 宿題
妹といっしょに宿題をします。
午後7:00 夕食
夕ご飯は家族でいっしょに食べます。この日のメニューは、いつもよりちょっと豪華で「ゆでた豚すね肉」 「揚げ春巻き」「牛肉とセリ炒め」「エビフライ」など。ベトナムでは食事を床で食べる家庭とテーブルで食べる家庭が半々ぐらいです。
午後8:00 自由時間
絵を描いたり、テレビを見たり、ブロックで遊んだり。アニメの「ドラえもん」を見ることもあります。
午後9:00 就寝
プロフィール
名前
Nguyen Tuyet Anh
グエン トゥエット アィン
(小学校5年生・10歳)
好きなこと
スポーツ、水泳、絵を描くこと
好きな教科
体育、国語、美術、音楽
習い事
ダンス
好きな食べ物
お寿司(特にサーモン)
行ってみたい国
日本
地球のためにふだんやっていること
木を植えること、ゴミ拾いとゴミの分別
将来の夢
国語(ベトナム語)の先生
日本について知っていること
アニメの「ドラえもん」、富士山が大きい!
リラックスタイムは何をしている?
学校の休み時間には、よく友だちとバドミントンをします。帰宅後は牛乳を飲むのが日課で、飲むと落ち着きます。休みの日には、家族で公園に行ってバドミントンをしたり、散歩をしたり、とっても楽しい時間です!
ベトナムの北部に位置する首都。南部の大都市ホーチミンに次いで、2番目に人口が多い。車で東に3時間ほど行くと、世界自然遺産の「ハロン湾」がある。およそ2000もの奇岩や島々の間を縫うように航海するクルーズツアーが人気。
面積|およそ3,359km2(ハノイ市)/およそ32万9,241km2(ベトナム)
人口|およそ833万人(ハノイ市)/およそ9,946万人(ベトナム)
ベトナム語の「こんにちは!」
Xin chào(シンチャオ)!
ベトナム語の「ありがとう!」
Cám ơn(カムオン)!
ハノイを漢字で書くと「河内」。「川に囲まれた低湿地」という意味で、市域は長大な「ホン川」とその支流に囲まれているよ。市内には湖も多く、そのなかでも特に有名なのが「ホアンキエム湖」。周囲には雑貨店やカフェもたくさんあって、外国人からも人気の観光スポットになっているんだ。
近くには、130年以上の歴史をもつ「ハノイ大聖堂」もある。
かつてベトナムは、フランスが支配していた時代があって、フランスパンを使ったサンドイッチ「バイン・ミー」の屋台や「コーヒー」の専門店も多い。アジアと西洋の文化が融合した街並みがハノイの魅力だよ。
参考:ベトナム総合統計局サイト(総務省統計局ウェブサイト)、
ベトナム基礎データ(外務省ウェブサイト)
取材、文・相澤良晃