雄大な自然が目の前!
スポーツも裁縫も大好きなアクティブ少年
世界の友だちは、いったいどんな1日を過ごしているのだろう。
日が暮れるまで外で遊んでいる?
それとも、放課後は塾で勉強しているのかな?
今回は自然豊な中国湖南省郴州市に住む
九歳のミンシュウさんにお話を聞いてみました。
郴州市の歴史的建造物「五嶺閣」の前でポーズを決めるミンシュウさん
リ・ミンシュウさんが住んでいる湖南省郴州市は、市街地のすぐそばに雄大な自然が広がっているよ。赤い岩肌がそそり立つ「丹霞地形」が特に有名で、大地のパワーを間近に感じられるんだ。
ミンシュウさんも自然が大好き。「飛天山国家地質公園」ではたこ揚げやキャンプ、「東江湖」では、魚釣りや水遊びを楽しんでいるよ。「魚は食べるのも好きで、特に『川魚のスープビーフン』が大好物。ほかに『川魚の唐辛子煮込み』や名物の『臭豆腐 』(発酵した干し豆腐)もおすすめだよ!」
中国も日本と同じで中学校までが義務教育。学費も無料だよ。基本的には居住地区の公立学校に進学する。特例として、すぐれた成績や試験の結果によって、生徒の要望があれば、行きたい公立学校を選ぶこともできるんだ。ミンシュウさんも自宅から歩いて五分ほどの小学校に通っているよ。
「好きな科目は、『国語』と『体育』、それと『労働』です。裁縫と料理が楽しい!」
「労働」は、日本の家庭科に相当する科目で、裁縫や料理だけでなく、靴磨きや家電製品の使い方などについても学ぶよ。中国独特の科目には、ほかに「道徳と法治」がある。社会常識や学生規則、環境保護に加えて、インターネット上のマナーや広告に関する知識も勉強するんだ。さすがデジタル化が進んでいる中国だね。
ミンシュウさんは、習い事もがんばっている。絵画教室とキックボクシングのジムに通っているんだ。「将来は、デザイナー、アスリート、俳優のどれかになりたい。人を喜ばせる仕事がしたいな。」
好奇心旺盛で何でも前向きにチャレンジするミンシュウさんなら、きっとかなえられるはず。
ミンシュウさんの1日 |
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午前7:00 起床
洗顔、歯磨きのあと、英語の勉強をするのが日課です。この日の朝食は粟のお粥、饅頭、ソーセージ、ランチョンミート、黒トウモロコシ。
午前8:00 登校・授業
登校後、音読、予習をして、宿題を提出します。授業の合間の運動時間には、じゃんけんゲームやサッカー、追いかけっこをよくします。
12:00 帰宅、昼食
給食は選択制です。僕は学校が近いので、帰宅して家族といっしょに昼食を食べています。この日のメニューは、唐辛子の肉いため、牛骨とトウモロコシのスープなどでした。
午後2:00 再登校・授業
午後5:00 目のマッサージ・自由時間
授業の合間や終わりに約5分間、目の周りや頭部のツボをマッサージ。近眼を防ぐためです。
午後6:00 帰宅・夕食
午後7:00 宿題
午後8:00 自由時間
宿題が終わったら自由時間です。中国将棋や五目並べなどのゲームで遊んだり、読書をしたり。図書館から毎週3冊本を借りていて、特に歴史漫画と動物小説が好きです。夕食の準備や部屋のかたづけなど、毎日最低10分は家のお手伝いをしています。時間があるときは餃子や動物饅頭を作ることも。
午後9:00 就寝
名前
李銘修(小学校4年・9歳)
好きなこと
キックボクシング、サッカー、水泳、バスケットボール、砂遊び、インラインスケート、読書
好きな教科
国語、体育、労働(日本の家庭科に相当。特に裁縫と調理)
好きな食べ物
ビーフステーキ、焼肉、唐辛子の肉いため、牛乳
行ってみたい国
ニュージーランド(美しい大草原とオーロラにあこがれて)
日本について知っていること
アニメはドラえもん、ウルトラマン。食べ物はおすし。
将来の夢
アスリート、デザイナー、俳優
地球のためにやっていること
ゴミを分別、ゴミ拾い、電気をこまめに消す。
リラックスタイムは何をしている?
中国将棋、五目並べ。読書は1時間。歴史漫画と動物小説が好き。テレビは30分。アニメが好き。ウェブで情報収集やオンラインゲームで遊ぶ。 好きなゲームは「ミニワールド」、「三国志オールスターズ」、「猫とネズミ」、「地下鉄で走る」など。
面積|およそ21万km2(湖南省)/およそ1万9,000km2(郴州市)
人口|およそ6,600万人(湖南省、2020年)/およそ460万人(郴州市、2020年)
※ちなみに日本は、面積37万8,000km2、人口1億2,500万人(2021年)
「郴」は、「森の中の城」という意味。自然がとても豊かで、面積の多くを森林が占めているよ。
中国語の「こんにちは!」
你好(ニーハオ)!
中国語の「ありがとう!」
谢谢(シェイシェイ)!
日本の26倍もの面積をもつ中国は、23の「省」という行政単位で地域を分けているよ。「省」は日本の「県」よりもずっと大きくて、郴州市が属している「湖南省」は日本の半分ほどの面積もある。「湖南」の由来は、淡水湖では中国で2番目に大きい湖「洞庭湖」(なんと琵琶湖の4倍!)の南側に広がる地域だからなんだ。豊富な水資源を生かして、中国でも有数の稲作地帯としても知られているよ。郴州市も米作りが盛さかんで、市街地から少し離れると、美しい田園風景が広がっている。伝統文化も根付いていて、太鼓で伴奏する歌舞劇「花鼓」が有名だ。
参考:湖南省および郴州市ウェブサイト(中国)、総務省統計局ウェブサイト(日本)
取材、文・相澤良晃