黄色い花があったり、
それにしても、不思議です。
自然界は
自然界で生きる植物の花の色や形には意味があります。
もし、黄色い花が優れているとすれば、世界中の花は全て黄色に進化するはずです。
しかし
自然界には
しかし実際には、さまざまな色の花があり、さまざまな形の花があります。
自然界には、さまざまな
全ての花には、それにふさわしい場所があります。そして、全ての花は、それぞれがふさわしい場所で美しく咲いているのです。
こうして、自然界にはさまざまな花が
このように、いろいろな種類があることを「
そういえば、私たち人間にもいろいろな顔があったり、いろいろな
私たちは、多様性が大切であることを知っています。
ところが、問題があります。
じつは、私たち人間の脳は、多様性を理解することがあまり
自然界は多様で
そして、ばらばらでたくさんあるものをグループ分けしたり、順番をつけたりすることで、整理して理解しようとするしくみをもっています。そのため私たちの脳は、点数をつけたり、順番に
それだけではありません。比べることが大好きな人間の脳は、ときには、
それが私たちの脳なのです。
私たちの脳が理解できないほど、自然界は複雑で多様です。
自然界を
ただし、花の色は植物の種類によって決まっています。たとえば、タンポポの花は黄色ですし、スミレの花は紫色です。
タンポポが紫色になりたいと思っても、それはできません。スミレが黄色い花をうらやましく思っても、花の色は変わりません。
それぞれの花が、それぞれの居場所で、あるべき
人間は、それらの花を改良して、新しい品種を作り出してきました。
はたして人間たちは、どんな品種を作り出したでしょうか。
たとえば、パンジーはもともと自然界では紫色の花でしたが、品種改良をして、黄色やオレンジ色などさまざまな色が作り出されました。
また、バラも野生のものは白色のものが多いですが、品種改良が行われて、さまざまな色が作り出されています。
人間は、色とりどりの野生の花を改良して、さらにいろいろな色の花を作り出しました。
こうして花屋さんでは、自然の野山よりも、さらにさまざまな色の花が並んでいます。
本当は人間の脳も、「いろいろあるほうが美しい」ということを知っているのです。
植物学者。